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----------本編?----------
①おはよ

「ヘンタイ。」
見下ろした視線の先には男が一人。
夏真っ盛りのはずなのに汗一つかかずに居眠りをしている。
夕方で日陰だからかもしれないが、それでも気温は30度にせまる勢いだ。

寝顔だけ見たらまるで女性のようで、実際に勘違いされることもあるらしい。
たまにナンパされた、なんて話を聞かされるが実は嫌味なんじゃないだろうか。

投げかけられた言葉にも反応しない所を見ると、相当熟睡しているのだろう。
よくこんな硬い地面で眠れるものだと感心してしまう。
だが、起きないからといってほおって置くわけにはいかない。
「起きろヘンタイ!」

「…ん、なんだ結かぁ。おはよ。」

「おはよって、もう日が暮れるよ。また午後の講義サボったんでしょ。」

「うん。昼ご飯食べたら急に眠たくなっちゃってさ。」

「ふ~ん。ま、あんたが単位落とした所で私は痛くも痒くもないからいいんだけど。
 今日買い物付き合ってくれるって約束だったでしょ。
 早くいかないと店に着くまでに日が暮れちゃうじゃない。あ、食べ残しもすてなよ。」
「それにしても、毎日牛乳とパンでよく飽きないわね。今日は何味だったの。」

「春味。夏に春ってのも新鮮でよかったよ。でも伝説の☆味にはかなわないや。」
やっと目を覚ましたらしい男は背伸びをしてゴミ箱へ歩いていった。
男の横には牛乳とパンの食べ残しが無造作に置かれていた。
余談ではあるが、男の食べているパンは学食で売られているパンである。
毎日違う味が1種類だけ販売されており、食べるまで味がわからないという
学食のおばちゃんのいたずら心が人気を呼んでいる。味は108種類まであるらしい。

「さぁ、これでよしっと。準備OKです。
 やさしい私が荷物持ちにお付き合いしましょう。」

「今日はそんなに買わないわよ。映画見るときに邪魔でしょう?」

「映画も見るの?今晩飲み会誘われてるんだけど、そっちいっちゃだめ?」

「だめ。付き合いなさい。その代わり映画代はおごってあげるわよ。」

2人は駅の方へと歩き出した。蝉の鳴き声が2人の話し声を塗りつぶしていく。


天気は晴れ。気温28度。時刻は16時。


②お買い物
「ねぇ、この服どう思う?」
Tシャツを胸にあて鏡を見る結。男は退屈そうにそれを眺めている。
「いいんじゃない。今穿いてるズボンにも似合いそうだし。」

「ズボンじゃだめなの。今日はスカートに合うのを探しに着たんだから。
 私、今日で生まれ変わるの。大和撫子になるんだから。」

結はそういいながら次のTシャツを求めて店の奥へと入っていく。

しかし、今見ていた服も背中に大きくGO!!SHO!!HA!!と書かれているアニメ調のものである。
元々ボーイッシュで性格も大雑把、常に強気な彼女が果たして大和撫子になどになれるのであろうか。
100歩ゆずってボーイッシュはいいとしよう。大事なのは中身なのだから。
しかし、パンク系の服やアニメ調の服が並ぶ、ロックバンドの御用達とでもいわんばかりの店で服を選ぼうとしている時点で中身の方だけでも信じようという決心も揺らいでしまう。
もしかしたら、彼女と私のイメージする大和撫子はまったく別のものなのかもしれない。
どこかで巡業活動をしているプロレス団体YAMATOのエース撫子・ファントムの熱狂的なファンなのかもしれないし、
ロックグループで着物を歌を歌う大和撫子なんてグループがいるのかもしれない。
どちらにしろ、彼女は私の思う所の大和撫子には絶対なれないであろう。

そんな妄想をして時間を潰していると、
「ねぇ~。これなんてどうかな?」
と笑顔で無影脚と書かれたTシャツを持ってくるのをみてため息がでた。
そんなに北斗の拳が好きなのか。いつか北斗有情破顔拳で葬ってやりたい。

そんな私の態度を感じ取ってか、不満そうな顔で近づいてくる。
「そんなに私の服選びがつまらない?お礼に映画おごってあげるで来たのに上の空じゃない。
 なんならあなたが映画代払う?払えないわよね。バイトもろくにしてないみたいだもの。
 あ、ほらそこにタウンワーク落ちてるじゃない。それで仕事でも探してきたら!」

「ご、ごめん。ちゃんと見るから許してよ。」
センスのすごさにうんざりしているとはとてもいえない。こういう時は素直に謝るに限る。
しかし、今、変な発言が混ざっていたような。
なんだろう。
バイトはたしかに半年前からしていない。貯金も底をつきそうだ。
では映画代の所だろうか。いや最初から奢ってもらうつもりできたのだからおかしくはない。
とすると・・・。

考え込んでいるうちに結はタウンページを拾って持ってきた。
「ほら、これでも見て仕事みつけなさい。」

「落ちてるものを拾ってくるなよ。それになんでこんな所にタウンページが落ちてるんだ?」

「言われてみれば変なの。まぁ、いいじゃない細かいことは。おもしろいバイトあるかもよ。」

「大体タウンページは連絡先を載せてあるもので、求人情報が書いてあるわけじゃないと思うんだけど。」

結はぽーんと肩を叩くと半ば強引にタウンページを渡してきた。
「ま、細かいことはいいじゃない。どうせ服みてくれないならこれでも眺めてなさい。」
そういうと、結は店の奥の方へ歩いていってしまった。

まったく、こんなものをどうしろっていうのだろうか。
しかし、暇であることは事実なので渡されたそれを見てみる。
まず表紙が青い。それも限りなく黒に近い。藍といった方がいいかもしれない。
こんな色のものもあるのだろうか?自宅にあるものはもっと明るい色だったような気がするのだが。
表紙をめくると注意書きがある。

       ----------必読!注意書き----------
あなたは運がいい。この本は誰でも何でも紹介することのできる大変便利な本です。

仕事が見つからないというのならば就職先を
休む場所が見つからないというのならばレストランでもホテルでも
有名人に会いたいというのならばサッカー選手から朝青龍まで


使い方はとっても簡単。お隣のページに書いてある番号に電話をかけていただくだけ。
代金も大変お徳!なんとあなたのある物をゆずっていただくだけ!

なにはともあれ、まずはお電話を。

                    紹介商会

       -------------------------------

ため息をつき、本を閉じる。
「・・・なにこれ。」

天気は室内だからわからない。気温冷房効いていて25度。時刻は17時。

③電話
レコードから音楽が歩き出す。
テーブルに、椅子に、窓に、ランプに、
音はぶつがってはね返ってくる。

音で満たされた空間で飲む紅茶は、きっとどんな飲み物よりも生き生きしているんだろう。

そんなお茶を飲みにこの喫茶店に入ったはずなんだけれど、
はずなんだけれど。

なぜ向かい側にいるこの人は大声で演説を行っているのだろうか。

「私ね、絶対電話するべきだと思うの!」

それは一体何回目だろうか。
つまようじを取って手元に置く。
1,2,3・・・10
これで10回目のようだ。

「だからね、ちょっと聞いてる?こんな機会めったにないんだから電話しようよ。」

11回目が始まったのでしばらくは音楽の方に集中するとしよう。

今流れているのは、何かの組曲のようだが、どうも思い出せない。
喉まで出掛かっているのに名前が出てこない。
いい曲なのにこうもやもやした気分では良さが半減してしまう。

関係ないが、この店の名前はSUITEというらしい。

「ねぇ、ちょっと聞いてるの。」
結は頬をこれでもかと膨らませこちらを睨んでいる。
ついでに結が騒がしかったせいで、レジの方からも冷たい視線を感じる。

「あ、うん。聞いてる聞いてる。
 とりあえず出ようか。電話するにも外じゃないとね。」
正直、これ以上こんな冷たい視線にあてられていたら風邪を引いてしまう。

「そうねぇ、そうしようか。あ、その前に残りのお紅茶飲まなきゃね。
 物を残すなんて大和撫子として失格だわ。」

だからその大和撫子は何を見本としているんだ。




ここは

とちう。続く。


単語リスト:
未使用
 謹慎 ジェンダー論
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